Rui

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(交換日記)ハローワークに行った話

 104号室のRuiです。ぼちぼち新しい仕事を決めないといけないなぁと思いつつも、ただただいたずらに流れてゆく月日。気がつけばもう8月じゃないか、いやもう8月も終わるじゃないか。いったい何をしていたというんだ、いや何もしていない。自信を持って言えることといったら、進撃の巨人アニメシリーズを2日間で全部見終えたことと、立派なリトルトゥース(オードリーのANNのリスナー、ファンの通称)兼おひさま(日向坂46ファンの総称)になったことくらいだろうか。  1年に1度は必ずといっていいほど無気力状態に陥る期間がある。特に夏場。これといった原因があるわけでもないのに、茫漠とした日常生活に少しずつ心身が蝕まれていく感覚。俗にいうバーンアウト(燃え尽き症候群)とは違って、燃えるというよりはジワジワと水分が失われていって、干からびてしまうイメージだ。 まあでもそういう時期が毎年やってくると自覚していると、案外気楽に受け入れることができる。今シーズンはコロナが引き金になったことは自分のなかで明白だったし、それもあってか少しワンランク上の無気力を味わうことができた(できることなら元気でいたいけれども)。  で、話を戻すと一昨日ハローワークに行ってきた。千歳市の学習指導員の求人に応募するためだ。正直いってハローワークに関しては「タウンワークのお堅い盤」くらいの知識しかなかったし、まさかここにきて自分がお世話になるとも思っていなかった。でもまあ話のネタにもなることだし、社会経験として前向きに捉えて足を運んだ。  「ハロー」と心の中で呟きながら入り口の自動ドアを進むと、マスクはしているものの綺麗な感じのお姉さんが受付にいた。初めてということも含めて事情を説明すると、とても丁寧に感じよく対応をしてくれた。もし異種総合受付大会なるものがあるとしたら、間違いなく上位に入賞できる実力の持ち主だと思う。まずは登録が必要ということで、順番を待つ間に施設内を見渡してみると、20代から40代くらいの僕と同じように職を求めてきている人がちらほらといた。皆も大変なんだなと妙に安心していたところで、意外にもすぐに自分の番号が呼ばれた。  担当のその女性職員は先ほどの異種総合受付大会でいえば、参加資格すら与えてもらえないくらいの不愛想な人だった。進撃の巨人の第59話を見ている時の自分と同じか、それ以上に無気力な目をしていた。アニ・レオンハートみたいな表情で淡々と手続きを進める職員の話を聞いているうちに、僕は不思議とやる気が湧いていきた。「こうなっちゃダメだ」そう思った。そして手続きはあっさりと終わり、最後にアニは「お疲れ様でした」と言った。そうか、「ありがとうございました」ってわけではないもんな、うん。「お疲れ様でした」と僕も返した。  そして昨日、教育委員会の方と面談をしてきた。現場はかなり大変らしく、すぐにでも人手が欲しいとのことだった。というわけで僕の履歴書と人格に問題がなければ(あってもバレなければ)来月から学習指導員として働くことになる。学校現場は教育実習以来だから少し緊張するけど、とても楽しみだ。少しでも先生方の負担を減らせるように、誠心誠意お手伝いしたい。ただそれだけでは生活費が賄えないので、並行して塾講師の仕事も始めることにした。ここにきて教育大生というアイデンティティーが活かされている。いやはや、人生何が起こるか分からないものだ、本当に。  そんなわけで、これから少しずつ人間としての尊厳を取り戻していこうと思います。昨日までの自分に「グッバイ」。