(交換日記)スズメの鳴き声
1ヶ月前、リビングの端にある換気扇にスズメが巣を作って、1週間前には雛が生まれたようで、毎朝5時半にはスズメの鳴き声で目が覚める何ともメルヘンな毎日を送っています、101号室の高橋です。
僕は教員住宅に住んでいるので、家族が住めるような2LDK庭付きの広い住宅に住んでいます。家賃は格安の割に特に古い訳でもなく、とても快適に過ごしています。
去年は忙しさのあまり、全く手をつけていなかった庭を、今年はしっかり手入れをすることにして、腰まで伸びた草を刈り、小枝くらい太い根に育った雑草をひたすら抜き、畑の周りには除草剤を撒いて、耕した畑にはマリーゴールドとハーブをいくつか植えて、毎朝水やりをしていました。
梅雨の時期が過ぎると気温が上がり、マリーゴールドが綺麗に咲いて、毎朝の水やりが一層楽しくなった頃、激しい羽音で目が覚めました。
鳥が家に入り込んだのかと思いました。よく聞くと、換気扇のところから羽音が激しく聞こえてきます。換気扇を外から見ると、細い柵が一部だけ折れていて、スズメが頭を出しているのが見えました。間違って入ってしまったのかな、可哀想だから出してあげたいと思いました。しかし、よく見ると、すでに換気扇の柵の隙間から枯れ草や小枝が綺麗に敷き詰められているのが見えて、スズメがせっせと一つずつ運んできて、巣を作っているのだとわかりました。
そのまましばらく様子を見ることにしました。
ところで、スズメの鳴き声って、微妙に異なる種類がいくつもあることに気づきました。
チュンチュンだけでは形容できないいくつかの種類があります。綺麗に鳴き声が聞こえるときは、必ず近くにスズメが何羽かいて、時々一羽のスズメがもう一羽のスズメを追いかけるように激しく飛びまわります。きっと求愛の鳴き声です。
畑の土を突っつく時は、少し短い鳴き声を繰り返して、他のスズメも後に続きます。餌がある場所を教えているのかもしれません。
僕が水やりに畑に出ると、鳴き声は大きく、強く、低くなります。
ジジジジ。という音に近いです。これは警戒している音でしょう。
僕がベランダに腰掛けてじっと換気扇を見つめていると、そのスズメは僕をじっと見つめながら鳴き続けます。
ジジジジ。
そのスズメをよく見ると、胸の羽毛を逆立たせて、胸を張っているようにも見えます。
ヨーロッパで縄張り争いをする鳩をよく見かけましたが、自分の縄張りに入ってきた他の鳩を追い出す時、鳩は首を持ち上げて、胸を張って、体を大きく見せながら他の鳩を追い払います。
スズメの威嚇も同じです。
僕は巣を壊すつもり、スズメの餌を取り上げるつもりも全くないのに、近くにいるだけで、その小さな体を大きく見せながら、必死に鳴き続けます。
あなたがどんなに両手を広げても、お空は飛べません。
金子みすずを思い出します。
スズメより優れている部分がきっと僕たち人間にはたくさんあります。
でも、僕たちの生活は、朝からゆっくり眺めていられるような静かなものでしょうか。
じっと見つめていられるような優しいものでしょうか。
スズメの鳴き声に比べて、僕たちが日々叫んでいる様々な声は、彼らにはどんな風に聞こえているのでしょうか。
最近授業で、グラミー賞を受賞したTayler Swiftの”You need to calm down”という曲を和訳しました。”You need to calm down. You’re being too loud.” 「あなたたち、少し落ち着いた方がいいわ。少しうるさすぎない?」この英文、不定詞の名詞的用法でも使える、助動詞のその他としても扱えるので、中学2年生にはちょうどいいですよね。
話が逸れました。
みなさんはスズメの鳴き声に耳を傾ける時間が少しでもありますか?
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