アホと戦っているうちに人生は終わる
最近読んだ本で、田村耕太郎著の『頭に来てもアホとは戦うな!』がとても面白かった。どんな人が書いているかというと、
「日本戦略情報支援機構代表取締役、国立シンガポール大学リー・ クワンユー公共政策大学院兼任教授。前参議院議員。第一次安倍政権で、内閣府大臣政務官を務める。元参議院国土交通委員長。エール大学、ハーバード大学、ランド研究所でも研究員を歴任。早稲田大学、慶應義塾大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済学大学院を各修了。オックスフォード大学AMPおよび東京大学EMP修了。」
こんなキラキラキャリアの方が「アホとは戦うな!」と言っている。実に興味深い。
この本の主な主張は「自分の人生という貴重で限られた資源を、アホとの戦いで無駄遣いするな!もっと有効活用しろ!」というもの。
アホとはどんな人か?この本で挙げられていたのは
・まず暇である
・正義感が強い
・自信に溢れている
・責任感が強い
・プライドが高い
・お節介
だ。どうでしょう、自分が当てはまるものはないでしょうか?或いは身近に当てはまる人はいませんか?
実は僕の職場に、これら全要件を満たしてしまっている女性社員(40歳)がいる(しかも割と近い上司)。決して完全なる悪人だったり性格の悪い人って訳ではない(むしろ普通にしていれば仕事もデキる)のだが、仕事がちょっと忙しくなった途端、元はアホの全要件を満たしてしまっているが故にめちゃくちゃ面倒臭い人に豹変(本性が現れるだけかも)するのだ。
週5で一緒に働いていると、その人が面倒臭い人に豹変するタイミングにある法則性があることが分かってくる。
※女性社員(40歳)をAさんとします
法則1:朝余裕がない
僕は朝バタバタしたりピーク時の満員電車に乗るのが好きではないので、少し早めに出社している。オフィスに一番に着くと、誰もいない静かな部屋でゆっくり今日の仕事のウォーミングアップができる(気がする)のだ。一方Aさんはいつもギリギリにオフィスに到着する。その人にとって仕事に支障をきたさないのであれば早めに着こうがギリギリに着こうが僕にはどうでもいいのだが、Aさんの場合は明らかに本人の仕事に支障が出ていて、それがもろに態度に現れ、あろうことか周りにも悪影響を及ぼしているのである。つまり、余裕がないのである。「早めの電車だと混雑は少しマシだったりしますよ」とさりげなく余裕のある出社を促しても、一向に改善されない。この問題にはそもそもAさんが残業がち→帰宅が遅くなる→就寝時間も遅くなる→起床時間も遅くなる→時間も容積もギリギリの満員電車に乗る という負のスパイラルがありこれがかなり根深い。どこかで転換点を見つけないと一生このループなのだがそれはもう本人にしか変えられない。
法則2:電話をとる
Aさんが1日に10本の電話に出たとしよう。そうすると、その内の何本でイライラしてしまうだろうか?「変なクレーマー」からの電話は一定確率でかかってきてしまうため、普通の人でも10本出ればその内1本くらいイライラすることがあっても不思議ではない。だがAさんはモノが違う。10本中11本でキレる。電話が切れるのではない、Aさんがキレるのだ。人によってキレる沸点のようなものがあると思う。Aさんの場合それが極端に低いのだ。電話なんかで何をそんなにキレる事があるのか?と思うが、聞こえてくる会話から予想するに、単に自分が忙しい時に掛かってきたからイライラ、単に相手の話し方がなんかムカつくからイライラ、単になかなか話が通じない(Aさんの伝え方にも恐らく問題あり)からイライラといった具合だろう。こうなったらAさんが電話をとる前に自分が電話をとるしか防ぐ方法はないため、今では僕は電話の音が鳴る0.1秒前に受話器のランプが微妙に点滅するのを即座に察知して誰よりも早く電話をとるという給料に直結しないスキルを身につけた。
法則3:お腹が空いていた
これは気のせいかもしれないが、昼休憩前が一番のイライラのピークで、晩飯の時間が近ずくに連れてじわじわイライラが復活しているように思う。気のせいかもしれないが。
Aさんに是非この本を読んでほしい。そして、この本を読んだ僕も「変なクレーマー」相手にイライラしないようにしたいし、それこそすぐにイライラしてしまうAさん自身に対しても「まあそういう人だから」という前提でイライラしないようにしたい。
お笑い芸人のかまいたちの山内さんが、自身のYouTubeチャンネルで「オカンから、アホが二人揃うと喧嘩になる、と言われたのを今でも忘れないようにしている」とおっしゃっていた。確かに、戦う相手がいるからこそ戦いになってしまうのだ。東京のように狭いところに信じられない数の人間が集まって生活していると、どんなに自分が気をつけていてもイライラ要因になるような理不尽と出くわしてしまう。駅で押されたりぶつかって来られたり。。。そこでわざわざ自分もイライラしてアホになって戦いを始める必要性はどこにもないのだ。晴れて相手を言い負かしたりして戦いに勝ったような気がしても、実際にはただ不毛な時間が過ぎていただけなのだ。
あたかも自分はアホではないかのようにイキってここまでつらつらと書いてきたが、つい先日、電車の一番端の席に座って優雅に音楽を聞いていた時、その端の部分を背もたれのようにして寄りかかってきた女性のロングヘアーが丁度僕の頭にモッサリとのっかってきたことがあり、なぜかその時は無性に腹が立ってしまい(なんか疲れていたことが主な原因だと思う)その髪の毛を思いっきり掴んで「ショートヘヤーにしたろかボケェ!」と心の中では絶叫してしまっていたので、何度もこの本を読み直して修行したいと思います。
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