Surf

目をとじる。潮風を全身に感じる。不規則な波の音、鳥の鳴き声。

「あー。生きてるわ俺。」

サーフィンをやる前に感じることだ。1ヶ月前にやり始めたド初心者だが毎度感じる。たしかにそこで感じる。

自分も自然の一部なんだと。日常の喧騒を忘れ、大自然と溶け合う。思いっきり身を委ねる。飛び込む。混じり合う。

波というものは想像以上に力強い。人間なんて簡単に跳ね返す。そこには有無を言わせない強さがある、恐怖がある。

その強さと対峙しているとき、言葉では言い表せられないような畏敬の念を感じる。尊厳。と同時に圧倒的な死をも感じる。このまま自分という存在が、そっくりそのまま飲み込まれてしまうんじゃないかと思う。この世界から消えてなくなってしまうんじゃないかと思う。でもそれでもいいや、とも半分本気半分冗談で思う。波に飲まれ、波と同化し、そこに還って行く自分。案外悪くないじゃん。

生と死。そこに明確なボーダーはあるのか。僕らは常に生きながら死に向かっているし、死にながら生を渇望している。可逆的であり、等価な事象。生きることと死ぬことは見方によっては、同質だ。Let it be.そのまんまにしておけ。放っておけ。あがくな無理すんな。それが真理だ。そこが真理だ。

Today is good for die.波に乗る前にいつもそう感じる僕は、サーフィンにハマっています。



生命を感じるmoment(映画Before midnightより)

Taro Yukino(雪野太朗)

Taro Yukino(雪野太朗)
95年お茶の国生まれ。お茶の国在住。リーマンしてます。
本とパフェとアイスランドが好きです。
エッセイ、紀行文、短編小説がメインのお部屋となります。
サメに噛まれるのが怖くてやれなかったサーフィンを始めた男です。明日天気になあれ。

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