5分だけ時間ください。


いつだってカッコつけたいし、綺麗でいたいし、見栄をはりたい。


でもそのためにはある程度準備をしなくちゃいけない。


手間もかかればお金もかかる。時には、噓の一つだって必要になるかもしれない。


「ああ、疲れた。」


そうやって最後に帰ってくるのが、自分の家であり、自分の部屋だ。


そこは何かに向かって生きる人が、何かにたどり着くまでの中間地点。


何かを成し遂げようとする人が、何かを生み出すための秘密基地。


粗削りで、洗練されていない、日常の残滓が散らばった空間。


もし突然、誰かが自分の部屋を訪ねてきたら


「5分だけ時間ください。」


僕の場合、そういって客人を玄関先で待たせることになりそうだ。


でも、もしかしたらその人はストーカーから逃げてきたのかもしれない。


その人は「普段のあなたが知りたいの」とズカズカ部屋に入り込んでくるかもしれない。


その人は赤と銀色のスーツを身にまとっていて、「3分しか時間がない」と言うかもしれない。


自分を飾ろうとすることは、時として何の役にも立たないのかもしれない。



104号室へようこそ。職業的シンガーを目指しているRuiです。


僕は幼い頃から歌を歌うことが好きです。どうしようもなく好きです。


聞いてくれる人が喜んだり、感動してくれるのも好きです。


歌でご飯を食べていきたいと考えています。とてもシンプルに。


でもひとつだけ問題があります。


それは自分の歌に対して、コンプレックスがあるということ。


思い通りに声が出せないし、理想とする音色に近づかない。


だから自分の歌を人に聞かせることに、少しだけ抵抗がある。


それでも、歌を歌うことが大好きです。


去年の3月、札幌で素晴らしいボイストレーナーとの出会いに恵まれました。


それまでは東京で暮らしていましたが、昨年の夏、ボイトレに専念するため北海道に帰ってきました。


地道に練習を重ねていく中で、確かな手ごたえを感じています。


そして今もまだ、成長を続けています。


もちろん完璧には程遠いし、そもそも完璧なんて存在しないのかもしれない。


でもまあ、それも悪くないか。いつだって人は途中を生きてるんだ。


最近、そんな風に思えるようになりました。


Kaede Apartmentの話をもらったのはちょうどそんな時。


僕に与えられたのは104号室。とっても静かな場所だけど、管理人からは


「好きなだけ大声で歌っていいよ」


と言われている。どうやら防音対策はばっちりらしい(何せ僕の声は大きいから)。


この部屋には僕の活動記録や日記、歌唱動画などを投稿していく予定です。


ここは僕の中間地点であり、秘密基地。


粗削りで、洗練されていない、可能性の欠片が埋もれた空間。


少しずつ手をつけていこうと思います。


もしよければ、いつでも遊びにきてください。


Rui

大学4年生の春、札幌のニトリ文化ホールでミュージカルを披露した時の写真。

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Kaede Apartment

2020年5月に始まったオンラインシェアハウスです。