(交換日記)君の恋はロミオに誇れるか

シェイクスピアがロミオとジュリエットを書いたのは今から約400年ほど前のこと。

当時日本は江戸時代が始まったばかりのころだったらしい。

ロミオとジュリエットと聞けば、

「おぉロミオ、あなたはどうしてロミオなの」

という有名なセリフを誰もが想像するだろう。

仲違いするそれぞれの領主の息子と娘の愛の悲劇である。

大体どんなストーリーかは知っているが、物語の詳細まで知っている人は少ないのではないだろうか。じっくり読んでみると、多くの登場人物によって語られるロミオとジュリエットの姿が実に切なく、さらには本当に些細なすれ違いが大きな悲劇を生んでしまうという、「なんでお前そうした!」と言うありがちな月9ドラマの設定は全てロミジュリ的すれ違いと呼んでもいいかもしれない。


何が言いたいのかというと、半世紀も前の愛の悲劇に、僕たちはまだ痛いほど共感しているのだ。


これは、我々の心が半世紀の間、ほとんど進化していないと言うことかもしれない。

歴史的環境、社会的な思想は違えど、愛に対する人間の心の動きというのは、ほとんど進化していないのだ。僕たちは今日も、ロミジュリ効果の中で心の火を激しく燃やしている。


話は変わって、最近職場で話題に上がる生徒指導案件は、生徒の恋愛模様だ。


僕の担任しているクラスにもカップルは何組かいる。

放課後、生徒をいじりながら話しかけると、クラスの恋愛事情を細かく教えてくれる。この時間は実に楽しい。しかし、その反面、行き過ぎた恋愛行動が起きないように注意深く観察しておく必要がある。僕のクラスではないが、少しばかり怪しい動きを見せているカップルもいる。そんな生徒へどうやって指導をするか、これが悩みの種である。


男女の付き合い方は性教育と結びついていると思う。

第二次性徴期が過ぎてから、異性のプライベートゾーンについて教え、それが侵害されることは問題なのだと教えている。好きな相手だからと言ってプライベートゾーンが犯されると、これはデートDVとして犯罪にもつながるという危険性を持って教えるというわけだが、つくづく日本の性教育は甘いと思う。


海外では、どうしたら子供ができるのか、望まない妊娠、性感染症を防ぐにはどうしたら良いのか、これらを事細かに、事実を伝える。しかし、日本の性教育はその真逆と言ってもいい。むしろ、行為よりも先に、命の重みや、命の大切さなど、抽象的な話で性教育を終えてしまう。


これには日本と海外の恋愛に対する大きな認識の違いに原因があると思う。


海外では、恋愛に対してオープンな姿勢であり、そのために性教育を徹底して教える。

しかし日本は、恋愛は秘事であり、公的な場所でイチャイチャしない、周りの目を考える、など集団生活に重心を置いて、性教育へと結びつける。だから、恋愛=よくないことと認識され、だったらバレないようにとこっそり行為に及び、それが性犯罪へと繋がっていってしまうのだと思う。


少し話が飛躍してしまったが、男子と女子に対してそれぞれもっとな生々しく事実を伝えればいい。こうしたらこうなる、ああしたらこうなる。そしてその後に、命の重みについて散々伝えればいい。未成年で子供を育てるということがどういうことなのか事実を突きつければいい。相手の気持ちと向き合うということの難しさを突きつければいい。誰かを愛するということは、どういうことなのかしっかりと突きつければいい。


誰かを好きになる感情は止められない。

それが悪いとは言わない。


しかし問いたい。


君の恋はロミオに誇れるか。


ちょっとセンシティブな話題でした。もっと勉強したいと思います。

Ryosuke Takahashi

オンラインシェアハウス Kaede Apartmentの管理人です。
95年 北海道生まれ、道南在住
趣味は、旅、映画鑑賞、読書、カフェ巡り

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