人生は一回しか生きられない
「人生はほっといたら過去の類似体験を繰り返すだけで終わってしまいそう」という事を最近よく考えます。まだ25歳のくせになんだか大層な事を申し上げましたが、現時点ではそう感じます。
歳を重ねれば重ねるほどあらゆることはすでに経験済みで既知のものとなり、次にやってくる出来事も、それは過去の類似として大方予想がついてしまうのではないか、と。
毎日が未知の体験に満ち溢れてエキサイティングで刺激的だ!という人は少数派でしょう(そんな毎日は大変そうですが)。ほとんどの人は週5日同じ職場に出勤して日々繰り返し業務にあたっているかと思います。僕もそのうちの一人で、仕事中「やっと今月が終わり、また来月の売り上げ目標か」という場面に何度も出くわしながらも、昨今の感染症の状況を鑑みて「仕事があって寝食に困っていないだけでも十分有難い事だな」とも感じています。とはいえ、そんな毎日を一生続けて死んでいきたいかというとそうではありません。
「昨日と同じような今日で、今日と同じような明日が来るだろう」と思いながら生きるのは僕にとっては少々味気なくて退屈ですし、もしそうであるのなら生きる意味はどこにあるのか?と大仰に思います。かといって映画のような毎日を望むのは非現実的です。
そこで、日常のちょっとした選択のタイミングで予定調和を乱すような選択をするよう心がけました。いつもは入らないようなお店に行ってみたり、いつもは頼まないようなメニューを頼んでみたり、店員さんにちょっと話かけてみたり、旧友に連絡をとってみたり。本当に些細なことですが、それだけでちょっと日常に色彩が生まれるというか、何か違う景色が広がって、普段なら考えないような事を考えるきっかけになったりするなと実感します。
今ならYouTubeで色んな人のチャンネルを通じて知らない世界を覗くことができます。自分でいつもは調べないようなワードを自分で検索窓に入れないと、YouTubeはいつもと似たような動画ばかりレコメンドしてきます。最近は、何がきっかけだったか忘れてしまったのですが、ファイナンシャルリテラシー系の動画をよく見ています。そして、昨年まで文字通り1円も貯金をしていなかったこの僕が、ついには証券口座を開設して積立NISAを始めようになりました笑。その結果、父親に米国株に関して質問したり、会社の経理の方に給料から引かれる税金や社会保障料のことを聞いたり、経済のニュースもこれまで以上に気にかけたり、今までとはまた少し違った景色が生まれました。
自分の知らない世界、全く経験してこなかった事に対してどれだけ興味をもって楽しむことができるか。それが一回きりの人生を豊かなものにするポイントかな、と今は思います。「一度しかない人生」と言うより、「人生は一回しか生きられない」と言い換えると、よりその貴重さに気が付けるような気がします。だったら、一回しか生きられない人生の中で、色んな人生を生きたいと切実に思います。
僕の好きな小説の「空白を満たしなさい」の中でこんな一節があるので紹介します。
「人生には、そんなに同じことが何度もおきるわけじゃない。いつも一回だけ起きるものなんじゃないでしょうか?その一回に何をするのか、それがその人ということなんじゃないでしょうか?」
ー『空白を満たしなさい』平野啓一郎
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